コンセプト/アーティスト紹介

作品Concept(詩)

草原に寝転んで

大きくひとつのびをする

開放と無力の粒が

この身と共にほろほろと

草をすべってこの地となる

空はなんてったって青い

これでもかと幾重にも重なる光の層を

一段ぬかしでふっとばす

星のかけらのおじいちゃん

あなたの呼吸がここにある

波間にたゆたう風となり

今も静かにうたをうたう

遠い記憶のおかあさん

まだあなたがなにものでもなく

海で漂っていたころを

鼓動のどこかでかんじています

いつかこの身を手放す日

あなたと同じそらをみられるのでしょうか

指先をたしかめるように

もうひとつのびをする

ここにいるよと地球がゆらぐ

みんないるよと風がくすぐる

いきている

ゆっくりと呼吸をあわせる

ここにいること

今というこの時

うたうこと

こころよせあうこと

感じること

想像すること

小さなまるの大きな営み

動き出す

この青くてまあるい舟には

過去も未来も宇宙も

あんがいすぐ近くにころがっている

この体温と共にある

仲間たちと共にある

なかまたち

きっとそういうことだ

きっとそういうことだ

千年先のあなたと

アーティスト紹介

松澤有子(Yuko Matsuzawa)

逗子出身・在住。学生時代、オーストラリア留学中にアーティスト活動を開始。9年間キャリアを積み日本に帰国。

「大地の芸術祭(2009)」「徳島LEDアートフェスティバル(2012〜13)」「静岡市美術館(2014)」等国内最大規模の芸術祭等で作品を発表。

https://www.yukomatsuzawa.info/

私の作品は視覚的な詩です。

製作は、その空間、そこに存在する時間や記憶に寄り添うことからはじまります。

自然の一部としての人間、自らが自然的存在であることに身を投じたときに立ちあらわれる個の不完全性、不確実性、私は、あなたでもあり、時間でも森の落ち葉の存在でもある。そういう境界線のあいまいさに実に興味があります。また、万物は流転します。その中で私の作品は、流れゆくあいまいな境界線のその先をさらに紡いでゆこうとする過程の積極的な残像です。

​Installation作品

enishi

越後妻有大地の芸術祭2009

2009|​新潟

​素材:まち針(協賛:泰豊トレーディング)​

​写真:サカタヤスノ

松戸アートラインプロジェクト

2011|​松戸

素材:おゆまるくん(協賛:ヒノデワシ)

写真:サカタヤスノ

来訪

中之条ビエンナーレ

2011|​中之条

素材:絹糸

写真:サカタヤスノ

あおいろに透く

2014|静岡市立美術館

素材:和紙

写真:サカタヤスノ


海のほとり美術館制作委員会メンバー

【企画メンバー】

長峰 宏治

落合千晴 (Chii)

福高 新作

浦部 裕光

半田 志野

黒木 葉子

児玉 智美

佐藤 由紀


【チームぼくうた】

梶ヶ谷 さなえ

佐藤きみえ

徳島 恵麻

徳島 来珀

宮地淳子


【フライヤーデザイン】

太田 奈津子